蓮の言う事には

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蓮の言う事には

俺が蓮の様子を伺っていると、蓮は俺をグイっと引き寄せて顔を近づけた。ヤバ。俺きっと顔が赤い。最近の俺は蓮の前じゃポーカーフェイスが保てないのは自覚あるんだ。 顔に出ちゃうとかキャラじゃ無いんだけど。そんな俺に蓮は真面目な顔で囁いた。 「それってプロポーズ?」 プロポーズ?そうなのか?俺の一瞬の迷いを感じたのか、蓮がため息をついて俺の顎を掴んで言った。 「涼介って、自分のことになると途端に分からなくなるよな。生徒会長になるくらい、あんなに他人の事は牛耳れるくせに、自分の事は全然だ。 涼介は俺がいないとダメだろう?一緒に暮らすのっていつまで?俺は結婚相手としか一緒に暮らす気はないから。涼介は俺が居なくなっても生きていける?」 目を細めて俺の真意を探る蓮に、俺はますます顔が熱くなるのを感じた。確かに俺は蓮が居ないとダメかもしれない。そうか、蓮とずっと一緒に居たくて同棲しようって言ったのかな。 「…蓮は俺のこと何でも分かるんだろ?俺が蓮が居ないとダメって分かってるなら、そんな意地悪言わないでくれよ。あー、分かったから! 俺と結婚して!もちろん今すぐの話じゃないぜ?とりあえず大学生のうちはダメだ。あー、まじか。めっちゃ恥ずい…。で?蓮の返事はくれるわけ?」 そう言って舌なめずりしてる様な顔で、笑いが込み上げている蓮を睨みつけた。蓮は俺も一緒に引き起こして立たせると、かしこまって答えた。 「私、虻川蓮は三好涼介くんのプロポーズを謹んでお受けいたします。どうぞ末永くよろしくお付き合い下さいますように。」 そう言って俺にお辞儀したんだ。俺は今この瞬間から俺たち二人が婚約関係になったんだって分かった。蓮の俺を見つめる目は真っ直ぐで、全然ふざけて居なかったからね。 俺は何だか口元がにやけるのが止まらなかった。それを隠したくて俯いた俺に蓮は近づいてぎゅっと抱きしめて言った。 「…そんな可愛い顔したら、俺止まれなくなるけど。こう見えても、すげぇ舞い上がってるからな?」 俺はそう言う蓮の顔を見上げた。いつも動じない蓮の顔が赤らんでる…。俺はニヤリと笑って、蓮の首に両手を回して囁いた。 「…俺を悦ばしてくれるのが、婚約者の務めだろう?」 そして蓮の唇が俺に降りてくるのを待ったんだ。
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