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大魔王と勇者の戦いが今、始まらないっ!?
「この扉を開けたら大魔王がいるんだね」
「とうとうここまで来たんです。行きましょう、勇者様」
「あ、ああ」
俺はゴクリと唾を飲み込む。
目の前にあるのは、まさにこの先に大魔王がいるにふさわしい重々しい扉だ。禍々しい装飾も施されている。
俺の左右にいて声を掛けているのは、これまで一緒に旅をしてきた魔法使いと僧侶だ。ちなみに二人とも女の子で結構可愛い。魔法使いはちょっと気が強くて、僧侶は大人しいタイプなのも、それぞれの違いがまたいい。
「どうしたんだ? 勇者。ここまで来て怖くなったか?」
魔法使いが俺の脇腹を肱で小突く。
「こら、やめろ。そんなわけないだろ」
「そうか~? 怪しいな」
にひひと魔法使いが笑う。俺はそういうことじゃないのにと思いながら魔法使いを見る。そして、思わずその太ももに目を落としてしまう。魔法使いと言ったらゆったりとした黒いローブに身を包んでいるものだと思うのだが、こいつは黒いミニスカにニーソなんて履いていやがる。絶対領域が眩しい、などと思っていたら今度は僧侶が口を挟んできた。
「わ、私もちょっと怖いですっ! 勇者様もそうなんですね」
「そ、そんなわけ無いだろ」
「そうですよねっ。勇者様に限ってそんなことあるわけ無いですよね。ご、ごめんなさいっ」
僧侶が俺に向かってぺこんと頭を下げる。あわあわしている僧侶は魔法使いと違って、全く露出のない白い法衣を着ている。ただ、服の上からでもその豊満さが全く隠し切れていないのがけしからんのだが。
しかし、どうしたものか……。俺は少し悩んだあげく、腹を押えた。
「すまんっ! 急に腹が痛くて! 俺ちょっとトイレ行ってくる! 大魔王の部屋、先入ってて!」
「え!? 先に!? 私たちだけで、か?」
「そ、そんな。待ってください勇者様ー!」
俺はしゅばっと踵を返しダッシュした。
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