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「ご、ごめん。気がつかなかった」
おでこに寄ったしわを指で伸ばしながら謝る。
でも、なかなかざわついた心は落ち着かない。
だから水をコップに入れ、ソファに座る。
それから、グイっと喉へ流し込んだ。
「……はぁ」
そんな様子も、明君は腕を組んだまま見てくる。
「なんでこんな危険なことをしたんだよ」
それから、コップの水が無くなったのを見計らってそう聞いてきた。
「え?」
「なんで太陽と2人で話したんだって聞いてんだよ」
「……」
どうやら。
明君が睨んでいる理由はそれらしい。
てっきり僕が怖い顔をしてるからかと思ったけど。
(いや、それもあるかもだけど)
「ごめん、僕も別に話すつもりはなかったんだけど」
「じゃあなんで?
あいつ、危ない奴だって俺言ったよな。
俺がされたことだって言ったよな?」
「聞いた、聞いたけど」
「栄治はちゃんと考えて動くタイプじゃん。だから余計になんで?」
「……」
「実際、俺来なかったらどうするつもりだったんだよ。
クスリ盛られて金盗られてたかもしれねぇ。
下手したらもっとひどいことされたかもしれねぇんだぞ!」
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