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「おっさん……」
その後、先にゆっくりと口を開いたのは明君の方だった。
「え、え、えっと……」
一気に血の気が引いていく。
さっきとは違う意味で感情がおかしいことになっているのを全身が感じた。
慌てて口を押える。
そして、だらだらと汗が額から噴き出した。
「ご、ごめん、僕……っ」
やばい。
やばい、やばい、やばい、やばい……!!
僕はこの部屋から逃げ出したくなった。
明君がいない場所へ。
今すぐに!
「ちょっと、ちょっと、外へ……っ」
だから、勢いよくソファから立ち上がった。
……否。立ち上がろうとした。
なぜなら。
明君が抱き着いてきて押し倒してきたからだ。
ドサッ!
男2人分の体重でソファが跳ねる。
そして、目の前には明君の顔があった。
じぃっと瞬きもせずにこちらを見ている。
「あ、あか、明く」
さっきまでの怒りはどこへやら。
今度は恥ずかしいという感情で支配され、思考回路は大混乱だった。
顔は真っ赤、いや、もしかしたら真っ青かもしれない。
そんな中、唇を重ねられる。
「ん……っ」
何度も何度も。
まるで僕のことを起き上がらせないかのように。
明君から攻め続けられる。
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