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それから、ようやく離れた時。
目の前には心底楽しそうににやりと笑う小悪魔の姿があった。
それを見て、僕は自身の緊張を和らげるための半笑いしか浮かべることが出来ず。
「………えーっと…………」
「おっさん……。今の言葉本当だな?」
「いや、えっと……」
僕はさっき口走った言葉を思い出して、汗が止まらない。
この場から逃げ出したいくらい恥ずかしいのに、上に乗っている子は全体重をかけて立てないようにしている。
そして、満面の笑みで更に追い詰める。
「取り消しなんてねーな?」
「え、え」
「ね・え・な?」
「あ、可能なら取り消し希望……」
その時。
明君はブレザーのポケットからスマホを取り出す。
そして。トトッと操作をすると……。
『そんなの、君のことが好きだからだ!!』
僕の声を再生し始めた……。
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