そんなの、君のことが

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「…………………………」 「あー無理だわ、また録音しちゃったし。 これじゃ取り消しできねーな!」 「………………………………………………」 この子、本当にどうなってるの……? 「……明君、いつも録音してるの?」 だから、つい思ったことをそのまま口に出してしまった。 「あ?んな細かいこと気にしない!」 明君はポケットにしまうと、またキスしてくる。 今度は唇だけじゃなくて、頬やおでこなど、できるところ全部に。 「ちょ、ちょっと、やめて……」 「やだ、てかおっさんに拒否権ねーから」 そんなやり取りをしてる間にも、耳には『ちゅっ』という音が届けられていく。 あぁ、恥ずかしい。本当に恥ずかしい。 人生で今一番恥ずかしいかもしれない……。 「あ、す、好きって言ったって、いろんな好きが世の中には……」 なんとか、何とかしたいこの状況。 ただただ、そんな思いから言い訳をあれこれ考えた。 だけど、余計に彼の神経を逆なでしてしまったようで。 「だー!この期に及んでまだ言い訳すんのかよ! 俺の中では好き=アイラブユー以外ねーの! あの夜みたいにいい加減覚悟決めろよ、バーーーーーーーカ!!」 「………………………………………………は、はい…」 結局、一蹴されてしまった。 「ったく、あの時のかっこよさはどこ行ったんだよまじで……(ぼそっ)」 何か呟いてたけど、僕には何と言ったか分からなかった。
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