47人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………………………」
「あー無理だわ、また録音しちゃったし。
これじゃ取り消しできねーな!」
「………………………………………………」
この子、本当にどうなってるの……?
「……明君、いつも録音してるの?」
だから、つい思ったことをそのまま口に出してしまった。
「あ?んな細かいこと気にしない!」
明君はポケットにしまうと、またキスしてくる。
今度は唇だけじゃなくて、頬やおでこなど、できるところ全部に。
「ちょ、ちょっと、やめて……」
「やだ、てかおっさんに拒否権ねーから」
そんなやり取りをしてる間にも、耳には『ちゅっ』という音が届けられていく。
あぁ、恥ずかしい。本当に恥ずかしい。
人生で今一番恥ずかしいかもしれない……。
「あ、す、好きって言ったって、いろんな好きが世の中には……」
なんとか、何とかしたいこの状況。
ただただ、そんな思いから言い訳をあれこれ考えた。
だけど、余計に彼の神経を逆なでしてしまったようで。
「だー!この期に及んでまだ言い訳すんのかよ!
俺の中では好き=アイラブユー以外ねーの!
あの夜みたいにいい加減覚悟決めろよ、バーーーーーーーカ!!」
「………………………………………………は、はい…」
結局、一蹴されてしまった。
「ったく、あの時のかっこよさはどこ行ったんだよまじで……(ぼそっ)」
何か呟いてたけど、僕には何と言ったか分からなかった。
最初のコメントを投稿しよう!