Overdose

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自宅に到着する。 靴を脱ぐと、電気を点けた。 深夜2時なのに、まったく眠くない。 まぁ、いつものことか。 というわけで部屋着に着替えると、ソファにどさっと座る。 ずっと吸いたかったタバコを咥えると、ようやく少しほっとできたようで、長く白い息を吐きだした。 「………」 やっぱり自分しかいない空間は落ち着くな。 その代わり、今まで以上にごちゃごちゃと思考が動き回るけど。 「………………」 正直な話。 何をどうしたら正解だったかなんて、俺にはわかんねー。 無理矢理あいつを抱いた時。 怯えた顔した三日月見ても何も思わなかった。 『親友だろ?』って聞かれた時も何も思わなかった。 今日もクスリを相手に盛るのだって何も思わなかったし、三日月に睨まれたって何も思わなかった。 謝る時だって……やっぱり何も思わなかった。 いや、思えなかったが正しいのか? 「だって何も感じねーんだからしゃーねーじゃん」 恐れとか。 罪悪感とか。 楽しいとか。 許せないとか。 悲しいとか。 幸せとか。 そんなものは、もう持っていない。 わからない。わからなくなった。 とうの昔にぶっ壊れた。
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