三年前

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三年前

三年前…… 桜井真奈美は大学四年生で卒業式間近だった。 真奈美は卒業式の後、大学の友人達の「堀早苗」と 「森田美奈子」と「篠田美恵子」の四人と卒業パーティーをする為卒業式が終わったら私達四人は大人の雰囲気がする洒落たワインバーの予約をしていた。  そう今、下町の居酒屋で飲んで騒いで旅行の話で盛り上がっているメンバーだった。  当時大学の卒業式で、もう大人だと言うのに。桜井真奈美の門限は十時だった。  その為、桜井真奈美はいつものメンバーが二次会三次会に行くと言うのに、帰らなければならなかった。 帰らないと両親は物凄い形相で真奈美を睨み付け怒りをぶつけた。 「あれは……躾じゃない。あんなに恐ろしい形相で私を叱りつける。物凄く怖かった」真奈美は一人暮らしをするまでの両親の門限の厳しさを思い出していた。 高校の時も、中学の時も他の友達よりも異常なまでに門限が厳しかった。 桜井真奈美はこれからは本当に自由なんだと心から安堵していた。 そんな真奈美を見て皆は「どうしたの?真奈美~急に黙って」「真奈美また門限の事思い出してるのね。今日から楽しみましょう。 真奈美の独立パーティーなんだから」四人はそう言ってお酒を飲んでお喋りをした。 「そうそう、酔っぱらう前に今旅行いつが都合いい日か決めちゃおうよ」「そうだね。皆は会社の休みメモに書いてある?携帯のメモとかに」 「書いてあるよ。私は元旦から五日までだよ」 「私も」「私も」 堀早苗は言った「IT企業は皆休み同じなんだね。愛媛は見所が沢山あるから二泊三日は泊まらないとね。じゃあ元旦から三日までにしましょうか~皆 予定書いておいて」 三人は「了解」そう言った。 その日は明日も仕事なので早めに友人がセッティングしてくれた独立パーティーはお開きにしてそれぞれ自宅に戻って行った。 真奈美は仕事も友情も恋も全て順調だった。 飲み会が終わり自宅まで真奈美は一人歩きながら 携帯で電話をした。 電話の相手は真奈美と一緒の会社に勤めている一つ上の先輩だった。真奈美は会社の友人にも話していなかったがこの一つ上の先輩の「後藤直也」と付き合っていたのだ。 直也は会社では物凄くもてていて、女性からしょっちゅう食事に誘われていた。 でも、直也はその誘いを全て断っていた。 直也は一言「僕には好きな人がいる」そう言って 真奈美を安心させていた」真奈美はそんな一途な直也が大好きだった。 「お酒を飲んだ後は僕の携帯に電話をくれ、どこでも必ず迎えに行くから」直也のその言葉に甘えて 真奈美は今も直也に電話を掛けている。  「あ、真奈美かわかった。そこならすぐ行くから待ってて」直也のそんな優しさも真奈美が好きなところだった。  直也は10分ほどで真奈美の側に来た。 「いつもありがとう直也」  直也は「いいんだよ。心配だから」相変わらず直也は優しかった「直也って本当に優しいよね。直也といるとほっとして温かい気持ちになるまるでホカロンみたいに」 「えっ?ホカロン?なんか喜んでいいのか?悪いのか?わからないな~」そう言って二人は笑った。  「そうだ直也~私、独り暮しなの。今度遊び来てね」 「駄目だよ結婚までは二人でアパートに二人きりは。僕はそういうのはきちんとしたいんだ」  真奈美は「今時?」直也は「真奈美にもそういうことはわかってほしいんだ。僕は真奈美が好きだから」二人は結婚の約束をしていた。 でも、真奈美は一人暮しを始めたばかりだったし、仕事も楽しかったので、あと三年は結婚したくないと直也に話していた。 直也もまた、プロジェクトリーダーを任されていて三年後が丁度結婚のタイミングだと思っていた。 桜井真奈美は三年なんてあっという間だと思っていた。そして、直也も同じ事を考えていた。 ところがこの三年間が真奈美の人生の全てを変えてしまう事になる。。。
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