後藤直也

1/1
前へ
/6ページ
次へ

後藤直也

桜井真奈美と後藤直也は同じ職場で同じ部署の先輩 後輩だった。  それが、急に先輩後輩の枠を超えて恋人同士になったのは、後藤から真奈美に声を掛けたからだった。  後藤は、一生懸命仕事をしている真奈美を見て真奈美の仕事を手伝ってくれたのだ。  そのあと残業していた二人は近くのお店で食事を済ませた。その時、お互いお笑い好きでよくお笑いの舞台を見に行くと言う話で盛り上がり、直也はお笑いのチケットの一枚を真奈美に渡したのだ。  直也は会社では女の子に人気があったが、同じ部署で何をするにも一生懸命やる真面目な真奈美に直也は初めから心を奪われていた。  直也はそれから何度も真奈美を会社が休みの日に 食事に誘ったりお笑いのコンサートに誘って気を引こうとしていた。  そんな直也の気持ちにだんだん気がついてきた真奈美は「先輩?何で毎週お笑いに誘ってくれるんですか?いつも友人が行かれなくなったからこのチケット無駄になっちゃうから~とか言ってますけど、毎週って?おかしくないですか?先輩は、もてるんだし彼女さんとかいるんじゃないんですか?彼女に悪いですよ。彼女さんと喧嘩してるんじゃないんですか?」  真奈美が直也にそう言うと直也は言った。  「僕には彼女なんていない!僕が好きなのは……桜井さんしかいないんだから!僕には桜井さんしか見えない!桜井さんは僕の事を先輩としか思ってないのはわかってる。でも、僕の気持ちは変わらない。あ~すっきりした。やっと言えたよ」  直也は真奈美にやっと自分の気持ちを言えた事に心底ほっとしていた。 そして、直也の言葉を待っていた真奈美も直也に言った。「後藤先輩……私も先輩の事を好きです。ずっと前から」こうして後藤直也と桜井真奈美は付き合う事になった。  同じ職場で同じ部署の二人は付き合っていることを職場の友人にも職場の同僚にも二人は秘密にしていた。ばれてしまうと部署をどちらかが変えられてしまう。二人はそう思っていた。  ばれなければ二人はずっと同じ部署にいられると思っていたのだ。 ところが、二人の運命がゆっくりと変わっていく…… それは、三ヶ月後の事だった。。。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加