孤立

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孤立

真奈美の会社での孤立はだんだんと酷いものになっていった。 そんな真奈美を見かねた「エンジニア部署」の中居正が真奈美に声を掛けてきた。 「桜井さんちょっとA会議室まで来てくれないか?」 桜井真奈美は「はい」そう答えてA会議室に向かった。桜井真奈美はきっと中居リーダーは私の話を聞いてくれるきっと孤立してる私を励ましてくれようとしてるんだ。優しい中居リーダーならきっと…… 桜井真奈美はそう思いながらA会議室に入って行った。 桜井真奈美が会議室に入り扉を閉めるとエンジニア部署のリーダー中居は、桜井真奈美に言った。 「桜井さん、来月一杯でこの会社を辞めてくれないかな?」中居の言葉に真奈美は言葉を失った。 そして、中居リーダーは更に桜井に話を続けた。「泉部長もその方が君の為だって言うんだよ。前から泉部長と話し合っていたんだ」 桜井真奈美は「ど、どうしてですか?何でわたしが?」中居正は言った「前から言おうと思ってい たんだけど~桜井さん君は仕事のミスが異常に多いよね。君はエンジニアでエンジニア部署に配属されたんだよね?君はパソコンをもっと上達させる為に大学に入ったって言ってたよね?君のミスを今まで誰が修正してパソコンで君に分からないように私に転送していたのか?がわかったんだよ。 君は知らなかったのかい?君を今まで助けてくれたのは後藤直也君だよ」 真奈美は「えっ?直也が?」「そうだよたぶん君がお昼休みに席を外した時に見直しをして私の パソコンに転送したんだよ。それに君は、エンジニア部署で孤立している、それは後藤君が営業部署に移動になったから君のミスに気がついたエンジニア部署の先輩が修正しているんだよ。 君はそんな事にも気がつかないでさっさとお昼に出掛けてしまうし、これでは孤立しても仕方ないよ。他の部署にもミスだらけの書類を君は送っていたんだからね。会社のみんなから孤立してしまうのも無理ないよ」 桜井真奈美は「そうですか~知らなかった。本当にごめんなさい。来月一杯で辞めます。先輩達に謝ってきます」真奈美は、すぐにA会議室を出るとエンジニア部署に戻った。 「あれ?先輩達がいないトイレかな?」真奈美はそう思ってトイレに向かった。 早く謝らないと本当に何も知らなかった事とは言え申し訳なかった。 真奈美がトイレに入ろうとするとエンジニア部署の 小池真実と馬場清美と水田すみれの声がした。 「本当に困ったもんよ。あのミス女が!」 「本当よ余計な手間かけさせて」 「桜井真奈美は疫病神だわ、早く辞めればいいのに」 「あの人もう三年目よ~うちの会社に入って」 「なのにあんなにミス~?」 「この仕事に向いてないんじゃないの?」 「クスクス……クスクスクスクス……」 同じ部署の先輩達の笑い声がした。 桜井真奈美はショックを受けながら部署に戻っていった。 その先輩達の声を聞いて真奈美はますます好きだったこの「ITコンサル会社」を辞める決心をした。 そしてすぐにでも先輩達が戻ってきたら謝る気持ちでいた。
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