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 ゴミを捨てていれば自分がなぜそれをしているのかを他人から聞いてもらえると思った(海岸にゴミがたまる理由)。  人に気を配ることができるのは縁の中にいることができる証拠である。鬱になるとそれができなくなる。死ぬ間際の猫みたいだな。  どんぐりの匂い、もしくは苔むした日陰の匂い、私はこれを知っている。この匂いを知っている。何故か懐かしく、綺麗で透き通ったあの頃を思い出す。それがいつかは思い出せない。  とまり木。思い出の去来を待ち続ける樵の話。待ち続け、最後は木になった樵の話。広がりはせんな。  思い出の森は朽ち果てており、土砂崩れが起きている。丁寧に辿ってみるとここ(現在)に戻ってきた。あなたが今だと思っているものは過去の延長線上に規定されている。金比羅公園と自分自身との間に親和性があるのはなぜだろうか。
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