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「ちょっと、どういうこと流響!」
未だ廊下の喧騒が止まない中、乱暴に扉を開けて入ってきたのは、クラスメイトで友達の亜美だった。
「一体、何がどうなってんのか分かんないけど……私がアンタに、まんまとしてやられたってことだけは分かる!」
そう続けると、いかにも悔しそうに段を駆け上がり、教卓から身を乗り出す。
「流響、稲見んからボタン貰うんじゃなかったの? まさかの爽木っちが本命だったなんて!」
嘆き突っ伏した亜美に向かって、私はあくまで飄々とした口調で宥めた。
「ごめんね、亜美。でも、『敵を欺くには、まず味方から』って言うじゃん」
「うぇ~ん、もういいよぉ……。流響なんて知らないぃ~」
「分かった、分かったよ。ごめん。何があったか全部話すからさ。ね?」
私はここでようやく、亜美の元へ駆け寄り、ショートカットの黒髪を撫でて聞かせる。
ああ……やっと終わったと思ったのに……。もしかすると事件って、解決した後の方が大変かもしれない。まだまだ名探偵の卵ともいえない私だけど、ふとそんなことを思い、遠い未来まで心配してしまった。
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