小説 Better Sweetの事

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―――――――――――――――― ―――――――――――――― ―――――――――――― ―――――――――― 公園には既に、カップルが2~3組いた。 小さな公園だから遊具などはなくシンプルで、砂利を敷き詰めた小さな広場と、その周りに芝生。 芝生の中には、いくつかのベンチが置いてあるだけだった。 カップルは仲良さそうに身を寄せ合って、端から見てもラブラブなのは一目瞭然で、場違いな私は胸が締め付けられるような思いでこの場に佇んだ。 彼が口を開くのが怖くて、 「暖かくなってきたのに、桜まだ咲かないね。 同じ名前だからか、桜の花が一番好きなんだよね。」 なんて。 堅く閉ざしたままの蕾に目をやりながら、その話が始まるのを少しでも遅らそうとしている。 彼は口を閉ざしたまま。 こんな事が何の意味も持たないと知っているし、我ながらバカだなぁ…なんて思うけど。 怖くて、怖くて、仕方ないんだもん。 気を緩めたら涙が頬を伝いそうになるから、気を張り詰めて。 小刻みに動く手は、後ろで組んで誤魔化して。 楽しくもないのに、無理矢理 笑顔を貼り付けて。 少しでも、『その時』を遅らそうとしている私に。 容赦なく、涼介が口を開いた。
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