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自ら開発した薬を飲み、全身を真っ黒に染めた私は作戦の決行の夜を迎えた。今夜は月明かりもなく、絶好の犯行日和だ。私は真っ黒になり、夜の暗さに馴染んでいる。周りに人がいても誰も私の存在には気がつかないだろう。 金持ちの家に忍び込んで高そうなものを盗んでやる。確かこの辺りに金持ちそうな家があったはず。ーその時。 ドカッ、おっとっと、ズコーっ。 私のお尻の割れ目に何かがぶつかってきた。 「イタタタッ!」 私は後ろから衝撃を受け、『く』の字にじなりながら盛大に前方方向に転倒した。うつ伏せになりながら、前方を見ると、何もなかったかのように自転車が走っていく。 「待てーっ、ひき逃げだぞ!」 私は手のひらに付いた砂を払い、立ち上がった。まさか自転車に跳ねられるなんてな。これから気を付けねば。もし車だったら即死だ。何気に恐ろしい状態になっている!? 夜の行動は危ないかもしれない。 そして、恐る恐る、私は自分のお尻を見る。なんとお尻が2つに割れているではないか! 「お尻と背中が痛い。犯行は別の日にするとしよう。今日は家に帰って湿布を貼るかな」
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