新聞部活動日誌⑨ え、そこから? (人間研究会)

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「人間研究会?」 「そうだ」 「生物研究会の間違いではなくて?」 「いや、あくまで人間に特化した研究会だそうだ」 「一体、何を研究するのですか」 「それを調べるのがお前の仕事だ」 「ですよねー」 モンスター育成ゲームをしながら、部長と新入記者のやり取りは続いていた。 「それにしてもさぁ」 「何ですか」 「このモンスターゲームって、繁殖のシーンはないよな」 「別に見たくもありませんよ」 「でも、リアリティを持たせるなら、そこら辺の配慮もしてくれた方が勉強になるのかもしれないじゃないか」 「はぁ」 「さて、俺はレベルがMAXになった。闘うか」 「はい。やりましょう」 「我々、人間研究会は人間の神秘について学ぶ集まりです」 「なるほど。それで、具体的にはどういったことを学ぶのですか」 「口頭で説明するよりも、実際に体験してもらった方がよいでしょう。今日の講義に参加してみて下さい」 「分かりました。これも取材の一環ですから」 新入記者は部室の真ん中に案内された。そこにはプロジェクターや椅子が並べられていた。さながら、上映会のようなものだ。 「いやに物々しいですね」 「内容が内容なだけに、雰囲気作りさ」 案外、形から入るタイプなのかもしれない。 さて、人間研究会さんの研究内容とはいかなるものなのか。 「さて、今日は記者さんも交えて、講義を行います。内容は、赤ちゃんの作り方についてだ。ここにいるメンバー全員がこれまで、人間とはコウノトリに運ばれてくるものだと思っていたが、何とそうではないことが判明した。一体、どんな方法で形成されるのかを、紐解いていこう。さて、配布された資料に目を通してくれ」  部長から配布された資料に目を通した。  それは絵本で、タイトルには『ぼくは、どうやってうまれたの?』と書かれていた。
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