マリオネットは 糸を切る

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 小学5年生の時に両親は離婚し、僕と双子の兄は生きる道が分かれた。  離婚の理由は教育方針の相違で、仲の良かったはずの父も母も僕らの教育をめぐってだけは歩み寄れなかったらしい。  父は英才教育を望み、母は自由に自然の中で子供を育てたかったのだ。  どちらも引き取ると一歩も譲らない二人に、くじ引きで決めようと言い出したのは兄だったように思う。  兄は父の会社を継ぎたがっていたし、僕は自由を望んでいた。  決められたレールの上を走るのが、僕には受け入れがたかったのだ。  僕らは僕らにだけわかる小さな印をつけて、それぞれ希望通り父と母に引き取られた。  父も母も自分以外に引き取られた方の子が不幸になると決めつけていて、そんな姿は見たくないと完全に交流を断った。
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