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転校生
席に座ると、黒板の見慣れない人物と文字に目がいった。
そこには、縦書きに「徳松 晶」と書いてあった。
「晶」を「ショウ」か「アキラ」で迷ったが、
右前の女子達が小声で「アキラくん」と呼ぶので、
多分アキラだろうな。ここで、先生が一言、
「晶くんは、東京から転校していました。」
この言葉に、また教室が盛り上がる。
「おい」
後ろの席の田村が急に話しかけてきた。
「アイツ、東京だってよ。有名人とか見たことあるんじゃね?」
田村よ、オマエはなんて単純なんだ。普通に考えれば、有名であればあるほど変装するものなのに。
とりあえず、どんな奴かわかるまでは距離を取りたいな。
「じゃあ、徳松の席はあそこだな。」
指が差した先にあったのは俺の隣の席だった。
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