3話:ワンワン・パニック 前編

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3話:ワンワン・パニック 前編

神戸(かんべ)アオイ 「ソーコのハートは僕が奪う!」 紫之原蒼矢(しのはらそうや)「いえ、この私が奪ってみせましょう!」 鍔鳴光(つばなりひかる) 「……俺が……奪う!!」 遊木弓弦(ゆうきゆづる) 「ボクが奪っちゃうもんね♥」  あぁぁあぁりがとうございますぅぅぅぅっ!!  そんなわけで、4人のイケメンから言い寄られている、私です。  カレシいない歴:20年! こんな私にもついにモテ期が来たのです。  これからはイケメンに囲まれた逆ハーレム生活が待って……  ……………いません!!  なぜなら彼らは保育園児……  言動はアレでも4歳児なのです!   ※ ※ ※ 「うぅぅ、美咲先生。私はどうすれば良いでしょうか?」  職員室に戻った想子は先輩保育士の美咲に相談していた。 「どうするもなにもないでしょうが。相手は園児よ。真に受けてどうするの? それに『先生のこと好き』『結婚する』って言ってても、どうせ保育園の頃の記憶なんて、大人になれば忘れちゃうんだから」 「そ、そういうものですか……」 「私たち保育士の存在なんてそんなもんよ」 「なんだか、ちょっと空しいですね」 「とにかくあの花組のイケメン4人の誘惑に負けちゃダメ。保育士としての理性を保ちなさい」 「が、がんばります!!」  想子(そうこ)は自信なさげに答えていた。
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