4話:ワンワン・パニック 後編

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 ホースから放たれた水によって、園庭には4人の勝利を祝福するかのように小さな虹が出ていた。  想子はホッとしてヘナヘナとその場に座り込むと、その虹をぼんやりと眺めていた。  すると、ふいに頭をポンポンと優しく叩かれた。 「怖かったろ。よく頑張ったな」  アオイが優しい笑みを浮かべてそこにいた。  その顔がスッと近づいて来た。  唇に感触があった。 「ごほうびだよ」  ……。  …………  ………………。 「………えっ?!」 「あ~っ、アオイくんがソーコ先生にチューした!」 「ずるい! ずるい!」 「ボクもソーコ先生とチューする!」 「ボクも!」 「俺も!」 「私も!」  窓から様子を見ていた園児たちが園庭に飛び出してきた。男女関係なく、想子にキスを迫ってくる。 「ちょ、ちょっと! ひ、ひえぇ~」  キス魔と化した園児たちに想子は悲鳴を上げた。 【つづく】
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