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ホースから放たれた水によって、園庭には4人の勝利を祝福するかのように小さな虹が出ていた。
想子はホッとしてヘナヘナとその場に座り込むと、その虹をぼんやりと眺めていた。
すると、ふいに頭をポンポンと優しく叩かれた。
「怖かったろ。よく頑張ったな」
アオイが優しい笑みを浮かべてそこにいた。
その顔がスッと近づいて来た。
唇に感触があった。
「ごほうびだよ」
……。
…………
………………。
「………えっ?!」
「あ~っ、アオイくんがソーコ先生にチューした!」
「ずるい! ずるい!」
「ボクもソーコ先生とチューする!」
「ボクも!」
「俺も!」
「私も!」
窓から様子を見ていた園児たちが園庭に飛び出してきた。男女関係なく、想子にキスを迫ってくる。
「ちょ、ちょっと! ひ、ひえぇ~」
キス魔と化した園児たちに想子は悲鳴を上げた。
【つづく】
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