2話:モテ期到来?! 後編

1/4
前へ
/173ページ
次へ

2話:モテ期到来?! 後編

 想子は目を覚ました。  だが不思議に思った。  目を覚ましたはずなのに目の前にはまだ王子様のイケメンが優しく微笑んでいたのだ。 「おはよう。ボクのプリンセス」 「はうっ!?」  想子は驚いて飛び起きた。  ゴシゴシ目をこする。  添い寝してあげてたはずの子は、すでに起きていて他の園児たちと遊んでいた。 「あ、あなたは?」 「ボクは、はな組の神戸(かんべ)アオイ」 「花組……?!」  4歳児クラスの『花組』からこちらに忍び込んで来ていたようだ。  4歳児とは思えない整った顔をしていた。色白で中性的な顔立ちのイケメンだ。そして想子の周りには、他、三人の園児が起き出していた。  どうやら4人は想子を囲むように寝ていたようだった。 「私は紫之原蒼矢(しのはらそうや)です」 「ボクは遊木弓弦(ゆうきゆづる)だよ」 「………鍔鳴(つばなり)(ひかる)……だ」  自己紹介した三人もそれぞれ違ったタイプのイケメンだ。  夢の中に出てきた四人に似ていた。  アオイは優しい王子様系イケメン。  蒼矢はクールなドS系イケメン。  弓弦はロリショタ系イケメン。  光は寡黙な侠気系イケメン。  想子はドギマギして寝乱れていた服の胸元を整えた。  その間もアオイたちはジッと想子のことを見ている。 「な、なに……、なんで見ているの?」  想子は照れながら聞いた。 「いや、君のさっきの寝顔がとても可愛かったから」  アオイが三人を代表するように言った。  …………!!  ドキリとした。  実際には自分の身長の半分もない男の子たちである。  しかしなぜだか脳内補正がかかり、アオイたちが自分よりも背の高い、8頭身のイケメンに見えてしまう。 「これが花組の4人………。い、イカン! イカン!!」  4歳児にドキドキとしてどうする。  想子は必死に正気を保とうと頭を振った。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加