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「あ、ありがと……」
「ねえ、ところでソーコ先生は誰にする?」
そこに弓弦がやって来て想子の顔を覗き込み、無邪気な笑顔で聞いてきた。
想子はドキドキを必死に抑えながら、聞き返した。
「誰って?」
「決まってるだろ。この4人の中から誰を選ぶかって話さ」
「え? え?」
「さあ、ボクのプリンセス」
「別に私を選んでいいですよ」
「ソーコ先生♥ ボクだよね」
「……俺を…選べ…」
「そ、そんな急に言われても……、どうしよう……、私、選べ……な…い」
頬を赤らめた想子は照れてイヤイヤをするように身をよじらせた。
だがふと冷静になり、気づく。
想子は美咲先輩の言っていたことをようやく理解した。
花組のーー、
神戸アオイ。
紫之原蒼矢。
遊木弓弦。
鍔鳴光。
この四人は、園児のくせにイケメン過ぎるのだ。
再起不能になったという女性保育士は、おそらく彼らのイケメンぶりに骨抜きにされて仕事の継続に支障をきたしたのだ。
「決められないなら、いっそのこと、4人同時に付き合ってみる?」
「そういう問題じゃありません! わたしは園児とは付き合ったりしません!」
「ウソばっかり。ソーコ先生は照れ屋さんだね」
「だぁかぁらぁ!」
「即決できないとは、やれやれですね」
「……フッ…ならば仕方ない」
「競争だね」
「ああ」
「ソーコ先生のハートはーー」
「「「「ボクらが奪う!!」」」」
【つづく】
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