さようなら

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「あ、尾崎さん、おはよう。いろいろありがとうね。今日からよろしく」 「あ、小山さんおはようございます。無事決まったんですね、良かったです」  朝の更衣室でばったり小山さんに会った。静かな更衣室が、小山さんの声でいっぱいになった。作業服に着替えながらも、ひたすらしゃべり続けた。  私は元々人見知りなので、まだよく知らない小山さんがどんどん話してくれるのは楽だった。沈黙で気まずくなることもなく、自然と私も親しくなっていった。  小山さんは私よりも四歳年下だった。子供は五年生の男の子一人。前の職場で意地悪な人がいて馬が合わず辞めたらしい。  仕事から帰ったら、同じ小学校のママ友、清水さんからメッセージが来ていた。 『お疲れ〜  小山さん、尾崎さんと同じ職場なんだってね  執行部で仕事の話になった時  私が尾崎さんの職場のこと言っちゃって……  ごめんね』  すぐに返信した。 『お疲れ様  全然大丈夫だよ  うちの職場人手不足だったから  気にしないでね』 『小山さんってちょっと変わってるでしょ』  ん? 『そう?  まだ知り合って間もないから  よく分からないけど……』 『そっか  まあ仕事頑張ってね』  そこでやりとりは終わった。とてつもなくおしゃべりってことかな。  ……と、その時はあまり気にしなかった。
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