さようなら

　しばらくして清水さんから返信が来た。

『お疲れ〜
　うわぁ……小山さんやってくれたね
　実は執行部のグループメッセージでも
　綾花ちゃんのこと聞いてきて
　さすがにここで言うことじゃないでしょ？　って
　みんなに言われて聞いてこなくなったけど
　まさか職場で聞きまくってたとは……
　あの人ああいうところあるよね
　空気読めない的な……承認欲求の塊みたいな……
　情報を人に話したら「え！　そうなの？」って
　話を聞きたがってると勘違いして
　自分の情報を人は喜んでくれると思い込んでるのよ
　執行部でも嫌ってる人いるけど
　そういう噂好きな人もいるから余計に
　自分は必要とされてるって勘違いしてるのよ
　ほんまごめん
　私のせいでこんなことになってしまって……』

　小学校のママさんたちにも聞きまくってたの？
　あまりの衝撃に頭がクラクラしてきた。とりあえず清水さんには、

『清水さんのせいじゃないよ
　悪いのは小山さんだから』

　と返信しておいた。
　明日からどうしよう。絶対何事もなかったように話しかけてくる。
　ひとまず深呼吸をして落ち着こうと試みた。職場で雰囲気が悪くなるのも嫌だから、できるだけ今までどおり接しよう。
　そう思ってはいても、長谷部さんのメッセージを思い出すと悔しくて目が潤んだ。

　もう小山さんは信用ならない。私は自分のことを何も話したくない。