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「あ、あぁん、んんっ、はぁ、そ、そこ、や、ああ… 」
身体の相性は修司と同じ位に良いのだと思う。抱き方は全然違うけれど、彰さんに突かれて快感を得る。言葉に出さなくても俺の望む様に彰さんは扱ってくれるし、どうすれば、どこが気持ちいいのかを全て分かって抱いてくれる。
それでも、自分本位な修司の抱き方に俺は興奮する。少し乱暴に、修司がしたい様に弄ばれる身体は悦びで震えるし、修司が悦ぶ様にと俺が尽くす。それも、大きな俺の悦び。
「俺だけの慶人になってくれ、なんて言わないから」
そう言われて結局、彰さんとは離れる事が出来ずに、ずるずるとこうして身体を重ねている自分は最低だと思った。
「慶人、慶人… ん、んんっ!はぁ!はぁっ!んっ、はぁ、はぁ、ああ… 」
奥に突く腰の動きが激しく速くなり、彰さんが絶頂に近付いているのが分かる。そうすると必ず彰さんは俺のモノも扱いてくれて、いつも俺が先に達する。
セックスの時は俺も夢中になってしまって分からず、また身体中にキスマークが付けられているのをシャワーを浴びている時に気付く。
「彰さん、キスマークは困ります」
自宅で風呂上がりも、パジャマ代りのスウェットをちゃんと着なければならないのと、脱衣場にいつ家族が入って来るかも分からない。
「ごめんね、自分でも無意識なんだ。気をつけるよ」
本当に申し訳なさそうに言われて、それ以上言えない。
そんな日々を過ごしてもう、二ヶ月近くになる。修司が彼女と別れたしるし、いつもの『たまには飲みに来いよ』のメールは来なくて、今度の彼女とは結構続いているんだな、と切なくなる。
週末、ブッとメールの知らせ。
今日は彰さんと食事の約束をしていた。きっとその後はホテル。
営業から戻り、デスクで提案書を書いている時、ん?と思いながらスマホを手に取る。
『たまには飲みに来いよ』
スマホを持つ手が震えて、思わず画面を伏せた。心臓の鼓動が激しく、息が荒くなる。困ったと思いながらも、胸がときめいている自分に気付く。
ドクドクと打つ胸を押さえていると、またブッとスマホが振動した。恐る恐る画面を見た。
『今日は早く上がれそう?』
彰さんからだった。
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