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シワにならないように高校の制服をハンガーにかける。
メイク道具を片っ端から出して、特にアイメイクを決める。ハロウィン仕様だ。
切り傷に見えるタトゥーシールを頬に貼って、浮かないようになじませる。
「こんなもん…かな?」
姿見の前に立って、上から下まで確認する。
体をよじって背中側もチェック。
ん?
正面に向き直る時、視界の隅を何かが通ったように見えた。
きょろきょろと周りを見ても何も変なことは無くて、姿見に顔を寄せる。
「気のせい?…………あ、」
姿見に小さな汚れが付いてるのを発見して、人差し指と親指で摘み取ろうとした。
「えっ?」
触れた途端に鏡が波打って、手が中に入った。
比喩とかそんなんじゃなくて、ほんとに。
目の前の有り得ない光景に、頭が追いつかないままでいると中に行っちゃった手を誰かに掴まれた。
「えぇっ!?ちょ、やだ、なにこわいこわいこわい!ちょっ、おか…あ、さ
お母さんに助けを求めることも出来ないまま、鏡の中に引き込まれた。
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