裏███解禁

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 10月31日、ハロウィン。 渋谷にコスプレ姿の人がごった返す日。 友達4人とお揃いで、囚人服コスプレで行こうと計画している。 朝から皆、早く授業が終わらないかとソワソワしていた。  お昼休憩なんて、ハロウィンの話題で持ち切り。 購買で買ったメロンパンを食べてる合間にも、耳に話し声が入ってくる。 「へぇー、ぐっちーとかわわんも渋谷行くんだ!何着ていくの?」 「おれらはマリオとルイージの格好する予定。そっちは?」 「あたしとゆいゆいは、赤ずきんちゃんの格好するよ〜」 田口君と川原君はマリオとルイージかぁ。 田口君、バスケで背が高いからルイージかな? 峰さんと大西さんは赤ずきんちゃんかぁ。 普段から可愛いものに目がないから、きっとコスプレ衣装探した時にこれだっ!ってなったんだろうな。  眠い5限目を越えたら、時間が一気に進んだような感じで授業が全部終わった。 「じゃあね?各自着替えて、渋谷駅集合で」 そう言って一時解散。 自転車を立ち漕ぎして、家に帰る。 「ただいま!」 玄関を開けてすぐ、階段を駆け上がる。 「おかえり〜、夏帆(かほ)ぉ?あんた晩御飯は要るのー?」 リビングから階段下に出てきたお母さんの声が聞こえた。 「うぅーん、多分要らなーい。」 自分の部屋のドアを開けて、ベッドにリュックを投げる。 クマのぬいぐるみの足の辺りに置いておいた囚人服コスプレに着替える。 「あんまり遅くならないようにねぇー!」 「あー、はいはーい」
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