僕が俺で、俺が僕

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「この前は誕生会、楽しかったね。ばれそうでスリル満点だったよ。たくさんで食卓を囲むっていいもんだったよ。ユキオはどうだった?」 「母さんと二人って気づまりかと思ってたけど、継母みたいに大げさにあなたは大事なんだよって感じがなくて、良いもんだな。僕はプレゼントにブランドのリュックサックもらった。幹雄は何貰ったの?」 「妹から、お母さんと作ったって、テディベアのぬいぐるみ、父さんからは好きなもの買えって、一万円貰った。欲しい物が何かよくわかってる人だ」 「いいな、半分、分けてよ」 「だめだよ、リュックは半分にできないじゃん」 「ぬいぐるみ、やるよ」 「妹が作ったぬいぐるみ、無くなってたらやばいから無理」 「でもプレゼントはそのままで、また入れ替わるんだよね」  と言ったユキオは笑っている。幹雄も気が付いて残念とばかりに笑った。 「今度はいつ入れ替わる? 楽しくてやみつきにになりそうだな」 「定期テストで部活が休みになる頃は、どう?」 「それで決まり。人生二倍楽しんでるみたいでいいな」  ユキオも幹雄も、その時は同じように気軽に考えていた。
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