第3章

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翌朝。 目を腫らしながら「おはよぉー」 なんて挨拶しながら出勤してきた達哉さん。 「なに?喧嘩でもしたの?」 「え?うわー!たっちゃんどうしたの? 目が腫れてるよ!蚊に刺された?」 「悠二さんバカ? 動物が好きなくせしてバカ? この寒い時期に 蚊が出るわけないでしょうが。」 「え?そうなの? 蚊って一年中いるんじゃないの?」 「もうややこしくなるから あんたはあっち行っときな!」 「うわ!仲間はずれ!?酷くない? ねぇ!たっちゃん!珖がいじめるよ!」 「んふふ。ケンカしてないよ? むしろ逆だよ?」 「あ。もしかして泣くほど抱かれたとか?」 「きゃー!珖ちゃんやらしー! 駿太くんやらしー!」 「違う//違うよ?あのね? 昨日俺がここで働いてること言ったんだ。 俺が帰ってから寝ちゃってて… しゅんくんが帰ってくるの気付かなくて そんでどうした?って聞かれて… 俺怒られるかなーって思ったら なんか泣きながら話しちゃってね? そうしたらしゅんくん許してくれて… そしたらまた嬉しくて泣いちゃったの!」 「へぇー。しゅんくん許してくれたんだ。 それは良かったですね?」 「おぉ!顔が良い男は意外に太っ腹!」 「それ使い方違うから。」 「えー?じゃあ猿も木から落ちるだね!」 「落ちてどうするんですか? それにまた意味違うし。」 「んふふ。相変わらず仲良いね~」 「そうですか?まぁ…バカな悠二さんは 可愛いですよ?」 「あー!また俺のことバカって! でも可愛いの?ホント~?」 「あー。はいはい。ほら働くよ?」 目を腫らしてやってきたときには驚いたが、 まぁ結果はどうあれ 駿太さんが認めてくれたと言って 嬉しそうに喜ぶ達哉さんが 見れたことに良しとしますか。 ふと不意に鳴ったメールの着信音に 携帯を手繰り寄せ開くとそこには 「達哉がそこでお世話になってるようで? まぁ…それはいいとして 俺に黙って働かせてたお前には 達哉の目付け役を命ずる。 お前他の男や女に達哉を指一本でも 触れさせてみろよ? 俺その店潰しにいくからな。 まぁ…そういうことでよろしく。」 と脅迫文とも取れる脅しメールが 顔の良い束縛系な達哉さんの彼氏から 届いていたので、 俺はブルっと体を震わせて まぁそれぐらいは協力してやらないとな。 なんて思いながら携帯をしまい込んだ。
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