第4章

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第4章

今日は忙しい激務を終えた休みの日。 あれから2、3通メールのやり取りをして 駿太と休みが合った今日、 俺は昼まで泥のように眠るはずが、 今日は朝8時には目がぱっちりと覚めて 何度も何度も服を体に合わせている。 あれ?なんで俺こんなに早起きしてんの? 約束の時間は16時だっていうのに。 あれ?なんで俺こんなにお洒落しようと 服をあーでもないこーでもないって 言いながら当ててるの? ただ駿太と居酒屋に行くだけなのに。 あーそうか。あれだな。 駿太はスタイルも良いし、お洒落だし、 それと並んで歩くには いくら寒い時期だからって 厚着過ぎる格好はいけないもんな。 そう自分の中で解釈して、 俺はニットのグレーのトップスに 黒の細身のパンツを選んでそれを履き、 15時には家を出た。 約束の時間の30分前に集合場所の 喫茶店に着いて、 とりあえずコーヒーを頼み タバコを吹かしながら達哉の到着を待つ。 「あ。勝お待たせ。」 約束の時間の10分を過ぎた頃、 Tシャツにブルゾンを羽織って、 ジーパンを履いてやってきた駿太は 俺を見つけて片手を上げて 席にやってきた。 「あぁ。そんな待ってないぞ? 55分ぐらいに着いたしな。」 「え?うそだろ。じゃあこれは何?」 ズイっと指を指した場所には 灰皿いっぱいに溜まってるタバコの吸殻。 「う。まぁいいだろ…。」 「それに勝はまぁ遅れてきた 俺が言うのもなんだけど… 優等生なお前が待ち合わせ時間の 五分前に来るとは思えないぞ?」 そう言ってくしゃっと顔を崩して 笑顔を作る駿太の顔を見て何故だか 俺の胸がドキっと動いた。 は?何ドキっとしえんの? え?俺激務のせいでおかしくなったわけ? まぁ…確かに最近は人の肌の温もりなんか 来る患者さんの肌しか感じてないし… 自慰ばっかりしかしてねーから ただの欲求不満なのかな? まさかの男に性欲を掻き立てられたってか? はは。馬鹿馬鹿しいにも程があるだろ。 「どうした?勝いきなり黙って。 やっぱり俺と会うの嫌だったか? ごめんな。」 「あ。違う違う。ちょっと考え事。 それに嫌だったら断るから。 じゃあ移動するか。」 「おう。行こうぜ?」 また笑顔を浮かべた駿太に俺は ドキドキしていた。
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