第1章

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しゅんは優しい。 とにかく優しい。 むしろ優し過ぎ。 俺としゅんは俺がフラフラと街で 歩いてる時にぶつかった。 あれ?なんかドラマの展開って思った? でもよく考えてみ? 自分で言うのもなんだが男と男同士。 な?ドラマ的展開の胸キュンには ならないだろ? 言っとくが俺は普通にノーマル だったんだぞ? それをしゅんの奴がよ? ぶつかってきた拍子に 俺の肩をガシって掴んできて 「お兄さん。見ない顔だね? てゆーか大丈夫?痛くなかった? お兄さん体細すぎない? ぶつかった拍子に骨とか折れなかった?」 なんて真面目な顔して言ってくるもんで 俺はなんだこいつ?って思いながら 腹を抱えて笑った。 そんな俺を見てしゅんは 不思議そうな顔してマジマジと俺の顔を 見てくんだもん。 胸キュン要素なんて全くなくね? そんなこんなでなんでか気に入られ なんでか理由付けては会ってきて いつの間にかそんな真っ直ぐで ストレートで熱い瞳にいつの間にか 俺は堕ちていった。 しっかししゅんのことは好きだ。 むしろしゅんしか見ていない。 なのにあいつは俺の事を心配し過ぎて 付き合った途端に俺の家に上がり込んできて それからありとあらゆるルールが 出来上がっていった。 1。外に1人で出歩くな。 そのため俺が働いていた飲食店も 辞めざるをえなくて… でもその代わりしゅんが生活費の全てを 面倒見てくれてる。 出掛けたい時はしゅんが休みの日に 一緒にじゃないと外に行けない。 2。1人で出歩いていい場所は 喫茶店。「遊楽」のみ。 3。電話は7コールまでに。 LINEの返信は五分以内に。 まぁ普段一緒にいる時は優しいし これぐらいの束縛なら耐えられる。 携帯を弄れない時は前もって連絡すれば それでいいから。 しかししゅんに世話になりっぱなしで それはどっかなー。なんて思う。 俺もしゅんの役に立ちたい。 ボケーっとそんなことを考えながら 遊楽の開店時間となったので 俺は出掛ける準備をした。
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