第7章

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「達哉~ほら起きろ!バイト遅刻するぞ? 起きて朝飯食うぞ!」 ユサユサ体を揺すられてわぁわぁ起こされる 声に俺は無視を決め込む。 「達哉もう起きてるだろ~? ほら。起きないと擽るぞ~?いいのか?」 いいなんて言ってないのに「覚悟しろよ~」 なんて楽しそうに擽ってくる。 んふふ。可愛すぎだろ。俺の彼氏。 「もうやめて~!くすぐったい!」 「お。やっと起きたか。ほら朝飯食うぞ?」 「俺別に今食わなくてもいいもん~」 「いいもん~じゃなくて。 俺が見ないとちゃんと食わないくせに。 バイトは?あるんだろ?」 「今日は実家帰るからバイトないの~」 「え?休み?いつの間に?」 「昨日母ちゃんから電話きたの~」 「そっか。じゃあ朝飯だけ食うぞ? ほら早く起きて顔洗ってこい。」 ベッドから無理矢理起こし出されて 渋々洗面所に向かいながらまた嘘をついた 自分が嫌になって一つ息を吐く。 それからしゅんの監視の下ご飯を食べて 仕事に行くしゅんを見送って、 約束の時間までソファに座って ボーっと時間を過ごしていた。 10時に本屋の前に着いて それらしき人が来るのを待つ。 「NO.3104?」 「あぁ。3つの蕾に一つの薔薇は?」 「これです。ではこちらをどうぞ。」 NO.3104とは俺のネームコード。 胸ポケットに3つの蕾がついた 一輪の薔薇を刺し込んでるのが依頼人。 そいつに一通の封筒を渡されて 有無を言わずに受け取るしかなく、 仕方なくそいつを受け取り 書き記された場所に重い足取りを 動かしていく。 封筒の中身の手紙を広げ、 一つ目に書かれた住所に辿り着き、 そこはいつものコインロッカーで 封筒の中にある鍵を取り出して、 ガチャリという音と共に中身も受け取った。 ここのロッカーは人目にあまりつかず、 監視カメラもないから仕事の時に よく使われるというどうでもいい情報が 俺の頭の中にあるのもどうかと思う。 次に書き記された住所に行き、 それから一枚の写真が入ってるを取り出し それが今回のターゲットを殺める場所。 俺は殺し屋である。 それも罪に問われない殺し屋。 警察の上部に飼われてる殺し屋。 都内の警視庁にいる 葛城さんから電話がかかって来て、 この仕事が成立する。 葛城さんは刑事課に勤める人で 法や警察に捌けない裏の業界を牛耳る人や、 警察に守られる悪人を、 俺の手で殺してこの世から葬るように 仕向けてくる。
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