第7章

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俺はその悪人達の悪事がどうしても 他人事とは思えない。 俺の今の家族は母ちゃんと二人っきり。 小学生の頃に父親は覚醒剤のやり過ぎで 幻覚が激しく道端に飛び込んで トラックと衝突して他界。 ねぇちゃんは高校生の頃男子高生に 乱暴…レイプをされてその事実が 遺書とされて残されており… 自殺を図りこの世を後にした。 だから葛城さんの気持ちが 痛いほど分かってしまい 俺はこくりと頷いた。 それからが俺の本業は殺人。 これはしゅんには勿論、 誰にも言えずにコソコソと 動いているため嘘をつくたびに 俺はなんとも言えない気持ちになる。 いつの日か最期がくるまで俺は 葛城さんの元でお世話になるだろう。 そんな事を思い出しながら 対者を監視してると1人人気のない 道へと入っていくところを追いかけていく。 靴は革靴だと音が響くからスニーカー。 服装は葛城さんが用意してくれる。 俺が持っている服とは系統も違うが 目立つ服装でもないシンプルな格好。 あ。なるほど。今回は薬の売買か。 タバコの箱をお互い交換しているところを 目撃したところで1人妙に納得。 売買が終わって対者外が離れて行った所で 一気に対者に間合いを詰めて 「パン」と乾いた音が響き、 一発で頭を仕留めあげ 足早にその場を後にする。 そのままの足で葛城さんのマンションに行き、 ポストから鍵を取り出して 部屋の中へと入り込む。 任務完了の合図として武器で使われた銃を 机の上に置きそのままバスルームへ直行。 煙や火薬の匂いを落とすために シャワーを浴びた方がいいと 指示をくれたのは他でもない葛城さん。 その為しゅんの家で使われてる ボディーソープやシャンプーや歯磨き粉まで 全て用意をしてくれている。 用意と言えば本屋に向かう前でも 一度ここに寄り仕事服も準備されている。 冷たいシャワーを浴びても 俺の体は火照ったままだ。 人を殺したこの感触。 そして高揚感がどうしても洗い流せなくて 排水溝にしゃがみ込み、 せり上がってくるものを吐き出す。 辛い…苦しい…気持ち悪い…怖い。 そんな気持ちを洗い流すように 全て吐き出したところで熱いシャワーに変えて ゴシゴシと体や髪の毛を洗っていく。 シャワーが終わり上がったところで はぁー。と一つ溜息を吐き出し 自分の服に着替えこの部屋を後にした。
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