第7章

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「ただいま~。」 仕事から帰ってきて 達哉に聞こえるように言ったのに 応答無し?おっかしーな。 夕方ごろには家着いたって達哉から 連絡あったんだけど返事が聞こえない。 どこか出かけてるのか? リビングまで行くと電気が点いておらず、 手探りで電気のボタンを探し付けると 「うお!達哉居たのか? どうした?電気も付けずに。」 ソファの上で膝を抱えながらボーっと どこを見てるのか分からないぐらい 視線を彷徨わせ、 俺の存在に気付いていない様子。 まさか目を開けたまま寝てるとか? いくら達哉でもそれはないだろ? いや…もしかしたらあるのか!? とりあえず達哉の隣に座り、 肩に手を置くと ビクっと微かに反応を示した。 「達哉どうした?なんかあったか?」 「………しゅん…?」 「あぁ。俺だよ?どうした?」 「あ!しゅん…今すぐ抱いて? 俺の身体をしゅんの腕で抱いて? 今すぐめちゃくちゃにして? いっぱいいっぱい俺を愛して?」 俺の存在に気付いた途端に ポロポロと涙を零しながら 俺にしがみついて抱きついてきて、 抱いてと懇願してくる達哉。 こういう状況は初めてではない。 それこそ不定期に実家に帰る達哉だが、 そのほとんどは帰ってからこのように ボーっとしては俺を確認すると 泣きながらしがみついて懇願してくる。 達哉の家庭環境は一度だけ聞いたことがあり、 複雑ならではの事情があるのかな? 無理に理由は聞こうとはしないが 求めている以上与えるまでだ。 「抱くのはいいけど? めちゃくちゃにはしないよ? 俺達哉のこと大事だから。」 チュっと額にキスを落として しがみつく達哉をそのまま抱き抱え、 ベッドルームへと運んでいく。 こういう時の達哉は情緒不安定で ずっと俺の首に手を回したまま。 俺はそのまま追い被さるような形で 達哉の涙に濡れた唇に口付けると しょっぱい味が口内に広がる。 唇を合わせるだけのキスしか贈ってないのに こういう時の達哉は積極的で 自分から俺の口の中へ舌を滑り込ませてくる。 俺はそういう達哉も満更ではなく、 高昇る気持ちを押さえ込みながら 達哉がくれる舌使いに酔いしれる。 くちゅくちゅと絡め取られ、 達也の頬を薄目で見ながら 服の中に手を滑り込ませ、 達哉の肌に吸い付く感触を感じならが、 引き締まって綺麗な身体を撫であげていくと キスの合間から達哉の甘い声も 聞こえてきてそれさえも愛おしい。
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