第8章

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良かった。風呂から出てきた達哉は 妙にスッキリしてて、 昨日の面影がなく、 今日はちゃんとふんわりと笑いながら 朝…っていうより昼の時間に 俺の作ったパスタを小さな口に運んでる。 俺もそんな達哉の正面で クルクルとフォークにパスタを巻きつけ 達哉の笑顔に笑顔を返しながら食べていく。 「あ。そーいえば夜何してる?」 「ん?」 「さっき珖から電話があってさ? 喫茶店もイタリア店も定休日なんだから たまには四人で出掛けようって。 紅葉でも見に行かないかって。」 「こーよー?」 「ひらがなじゃなくて紅葉な? もみじとかイチョウとかライトアップ されてるの見に行かないって 悠二がうるさいから四人でって。」 「別に構わないぞ?」 「じゃあ珖に言っとくな?」 「うん!ご馳走様でした。」 きちんと手を合わせ、 昨日ろくに食べてなかったのか 完食した皿を流し台に持って行きながら、「あ!」って顔をして 俺の元に駆け寄ってきた達哉を 俺はギュっと腰を抱きしめて、 腰元にある顔を見つめる。 「なに?嬉しそうな顔して。」 「そのこーよーって夜からだろ?」 「うん。あ。八時に公園の前だって。」 「じゃあさ?釣り行こうぜ。釣り!」 「釣り行きたいの?」 「うん!しゅんと今日はデートする日 って俺今決めたから!」 「デート?」 「そ!釣り行って寒いな~なんて 言いながらしゅんはあっためてくれて、 俺はしゅんのために頑張って魚釣るの! そんでこーよーも行くの!」 「何それ。可愛すぎ。ふふ。行こっか?」 「よし!じゃあ俺船長に連絡するから おめぇは早く食え!そんで準備しろよ!」 「わかったよ。でもちょっと待って?」 「ん?」 ん?って言いながら首を傾けるのが可愛い。 俺と今日はデートする日だって 言いながら顔を嬉しそうに綻ばせながら 俺をみあげる達哉が可愛い。 スクっと立ち上がって達哉の頭に手を掛け、 達哉の可愛い唇に 引かれるように顔を持って行きながら、 吸いつかれるように達哉の口に口付けて 結ばれてる口を舌でこじ開けて 達哉の唇と舌を堪能していく。 ちゅ…くちゅ…と水音が響いて んはぁ…はぁ…んんっ…と啼く達哉の 声を聞きながら散々犯した口内に 満足して離れていく唇。 「も…しゅんなんだよ…?」 「達哉が可愛すぎて。でも褒めて? ちゃんと釣り行けるようにキスだけで 我慢したんだぞ?偉くね?」
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