第9章

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しばらくボーっと見つめていたらくっしゅんと 珖のくしゃみの声が聞こえて、 茫然と見ていただけの俺たちは、 その声に反応して動かなくなってた体に 力が入り動かすことが出来た。 「ホントすっごいね!!ね!すごいね!」 「うん。これは凄いしか言葉出ないね。」 俺が喋り出すと、続いて珖も喋って 「悠二ちゃんすげぇや! こんなものが見れるなんてすげぇや!」 「な?綺麗だし凄いな!」 たっちゃんと駿太くんも喜んでいる様子。 「よし!じゃあここでやろう!」 「やるって何を?」 「じゃっじゃーん!ちゃんとお酒 持ってきたもんね~!」 「じゃっじゃーん!おつまみちゃんと 持ってきたもんね~!」 俺はお酒、たっちゃんがツマミを持ってきて 「やる時はやるんですね! いつ準備してたんですか?偉いじゃん!」 「でしょでしょ!褒めて褒めて~?」 「はいはい。いい子いい子~」 「とりあえず乾杯するか?」 駿太くんの声に酒を取り出して 1人1人に配ってかんぱーい! たっちゃんが捌いてきてくれた刺身をツマミに お酒を飲んでさ? なんでもない時間だけど、 心はポカポカで温かくて、 ずっとこんな時間が続けばいいのにね! 他愛のない話をして30分遅れた 紅葉見ながらの宴会も11時になるころは、 やっぱり風は更に冷たくなってて、 酒もツマミもなくなった頃に この楽しい時間もお開きとなった。 バイバーイって駿太くん達と別れて そのまま珖と一緒にお家に帰宅。 そのままお風呂溜めてあげて、 冷えた体をお湯であっためておいで? って言うんだけど珖は中々ソファから 動かない。一体どうしたんだろう? 「珖~お風呂入らないの?」 「先に入ってきていいですよ?」 「えーなんで?」 「あのですね?君は俺の彼女。 なら彼女優先するのが彼氏の定義でしょ?」 「えー!確かに珖は俺の彼氏だけど そんなんどっちでもいいよ~! 今はほら冷えた体を温めるのが先なの!」 「もう仕方ないですね。 じゃああなたの身体は俺が温めましょうか?」 手に持っていたDSをテーブルにコトンって 置いてソファから立ち上がり、 後ろに居た俺の方に向かって、 怪しい笑顔を浮かべながらこちらに 向かってくる珖。 やばい!なんでそうなんの?え? 昨夜から二回も濃厚にヤったのに?え? 明日からは仕事が始まるのに?え? ねぇ!なんでこうなるの?え? 俺が珖のスイッチ押しちゃったのー!? 誰か助けてー!
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