第2章

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第2章

最近執拗に俺の携帯が けたたましく鳴り響く。 どれもこれも全部福永駿太。 奴からの電話とメール。 駿太とは中学時代の同級生だが 何故か31歳になったこの歳にして 彼からの連絡が俺の携帯に入る。 彼との中学時代の良い思い出なんて 何一つない。 むしろ悪い思い出しかない。 俺は…俺は…中学時代の三年間。 この福永駿太という男を中心に イジメにあっていた。 元々福永駿太は学年で目立つ いわゆる派手グループのリーダーで 俺は全くその逆で学業と運動に 力を注いできたんだ。 そんな時中学一年の2学期に 廊下を歩いてたら向こうが友達と歩いてきて 友達の方を見ながら歩くもんだから、 俺の方なんて見ずに歩いてくるから、 肩がぶつかり合った。 それから俺は彼のグループの餌食になり 暴言、暴力を振るわれて 恐喝、窃盗もされる散々な三年間となった。 でも俺はそんなイジメになんか負けずに 父が経営している病院の医者になるため 学校に行っては勉強を学び 晴れて中学を卒業したと同時に 医療関係の高校に進むことが出来たため 福永駿太とは離れることが出来た。 そんな彼が何故今更この歳になって 俺の携帯に連絡をしてくるのか。 そもそもどうやって俺の携帯の番号を 入手したのか。 それら全てが今、今世紀最大の謎だ。 電話は出ないから内容が分からないが メールはよく分からない内容が届く。 『今なにしてんの?』 『俺仕事終わったけど勝はまだ仕事?』 『なぁ。電話かメールどっちか返せよ。』 『暇な日飲みに行かない?』 お前は俺の友達なのか!? と思う内容ばっかりで正直何を企んでか。 どうやって返信すればいいのか。 頭を悩ませてる日々である。
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