赤い月の下で

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「コセンユウタ!  僕の愛しのココミを奪おうだなんて1年早いぜ!」 「君はココミとどういう関係なの?」 「へっ!よくぞ言ってくれた!  僕とココミの関係はつまり...!幼馴染だ!  だからココミを奪おうだなんて1年早いんだよ!」 そう。私とこの子、ヤブダイアオキは幼馴染。 アオキくんは幼稚園の頃からずっとクラスが一緒だった。 だけどあんまり喋ったことないし、逆に面倒な人だし..。 それより1年早いってなんか地味じゃない...? 普通は100年とか100万年とか.. 「へぇ...。じゃあ1年待ったら奪っていいわけか。」 「けど1年まって奪おうとしたころにはもうココミは僕のものだろうねー!」 「へぇ。そういう保証ができるほど自分がモテてると思ってるんだぁ。」 なんかコセンさんキャラ違うしっ! けどこっちもかっこいい...! 「うぐっ....!  じゃあ今証明してやる!」 え..? 「ココミ!  好きですっ!付き合ってください!」 「えー....。ちょっと無理かなぁ..。」 「なん...だとっ..!」 普通だったら少し悩むけど、アオキくんからは小学校に入学してから合わせて99回告白された。 そして今回が100回目。 もちろん、私はコセンさんがいるから断ったんだけど... ずっと断ってるのに告白してくるから少し困っている。 一番嫌なのは、 「じゃ、じゃあ!  ココミを1億で買い取るっ!」 何でもお金で済ませようとすること。 けど告白で使われたのはこれて初めてだった。 「はぁ..?  人の心を金で買い取れるわけねぇだろ。」 「今まで20人これで成功したんだぞ!」 「何でそれで成功したんだと思う?  その女たちは金にしか興味ねぇんだよ。  お前自身には興味ない。別に死んでもどうってことないんだよ。」 「.....ッ!  そ、そんなわけない!  大好きって言ってくれたもん!」 「そんなン嘘でも言えるじゃん。」 「違うもん..違うもん!  うわぁぁぁぁぁんっ!」 アオキくんはそのまま走り去ってしまった。 「じゃあ話の続き..」 すると 「おい!そこで何してる!下校時間だぞ!」 先生に見つかってしまった。 しょうがなく、今日はふたりとも帰った。
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