赤い月の下で

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わたしには、好きな人がもうひとりいる。 それはサトウさん。 フルネームで言うとサトウジン。 運動神経抜群で、やさしい。 頭がいいかどうかは別で..。 廊下で見つけたら「ココミー!」ってうれしそうに走ってくるからちょっとかわいいんだ。 毎日ふざけてばっかりのいわゆる悪ガキだけど、ちゃんとやるときは真剣に取り組んでくれる。 コセンさんもサトウさんも4年の頃から好きで、今は5年生。 中学生になったらたくさん告白されそうだし、10クラスもある中で同じクラスになれるとは限らない。 そっちも諦めきれないけど、私に選ぶ資格なんてない。 どうせ成果は出さずに卒業しちゃうんだから..。 「どうしたココミ。そんな廊下て突っ立って。」 「ぎゃぁぁあ!」 「うおっ!」 「あ、ごめん。」 サトウさんかと思ったじゃん! ホントびっくりしたぁ。 「ココミー!」 「あ..!」 サトウさんだ! 私の好きな人集結...。 「ココミ!  何こんなやつと話してんの!   今日一緒に遊ぶんでしょ!」 うんかわいい。 うん。 「ニシンもいるから!」 「へぇー。  俺も入れてくれないかなぁ。」 「無理っ。」 「なん..だと..!?」 なんか面白い。 「ほらさっさと行こ..」 [バァンッ] 「うっ...。」 「コセンさぁん!」 嘘...! コセンさんが撃たれた..。 「僕に逆らうのが悪いんだよ..。」 銃を持っているアオキくん。 銃の反動で吹っ飛んでいた。 誰かを撃ったのは間違いない。 「アオキくんっ!」 「コ、ココミ...!  僕は何もやってない!」 「へぇ?やったかどうかなんて聞いてないんだけどなぁ?」 「ギャァァァァァっ!」
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