二人目

4/5
前へ
/18ページ
次へ
   * 「大変だ! 真里絵が……」  息せき切って雄太が統一郎の部屋へ飛び込んで来たのは、それからいくらも経たないうちだった。 「一体どうしたっていうんだ」  雄太の ただならぬ様子に、流石の統一郎も困惑した顔を見せる。 「倒れたんだ。さ、さっき、ジュ、ジュー……」 「じゅう――何だって? とにかく、落ち着いて話せ」 「これが落ち着いていられるか! ジュースを口にした後、急に倒れたんだよっ!!」 「それで様子は?」  半ば怒鳴るような声にも、統一郎は冷静に返す。彼はいつだってそうなのだ。 「い、意識がないんだ。と、とりあえず救急車は呼んだ…… い、今は……杏子が側についてる」 「そうか。こうも立て続けとなると、警察にも連絡しておいたほうがいいな」  まだ呼吸が整っていない雄太を脇に、統一郎がスマホを取り出す。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加