与えられた役柄ではありません?!

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「綾日香ちゃん、帰るところなら送るよ」  さわやかに声をかけてきたのは、(仮)(かっこかり)の婚約者、直志(ただし)だ。(仮)(かっこかり)なのは、いちおう世間体を考慮してのこと。という、直志の主張をうのみにするほど、綾日香は単純ではない。20歳越えの成人男性が、小学1年生の許嫁になろうなど、もの好きとしか思えない。  ひじょーに非常識な人物なのだが、白いシャツにジャケットを羽織っている姿はとてもスマートで、落ち着いた男性に見える。 (詐欺だ)  綾日香は、一切取り繕うことなく、直志を冷めた目で見た。
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