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『女性部員大歓迎。あなたの知らない切手召集の世界へのご案内。僕達と一緒に未知の世界へと踏み込んでみませんか。女性部員も大歓迎です。興味がありましたら是非とも部活までお越しください』
「女性部員歓迎が二回も組み込まれている。怪しい」
部員歓迎のビラを片手に新入記者は例の部室へと取材に向かっていた。
「そもそも、切手を集めて、何が面白いのだろうか。あんな小さいものを」
そんなことをぶつぶつ言いながら、切手同好会の部屋の前へとたどり着いた。
訪ねるために、ノックをしょうとしたその瞬間、声が聞こえてきた。
「く、あ、あ、く」
「いいぞ、いいぞ、そこを攻めろ」
「では、センターラインに集中攻撃を」
「あ、あ、あ、もう、やめて」
「何を言うのだ。お前、それでも、切手同好会の一員か」
「こうなることを覚悟の上で来たのだろ?」
「あ、はい。しかし、実際にやってみると、感度の問題が凄くて」
「そんなもの、場数を踏めば、どうとでもなる」
「そうだ。頑張れ」
「は、はい」
何やら、いかがわしい雰囲気を新入記者は感じていた。
集中攻撃? 感度?
とても、切手収集の集まりとは思えない空気に押されていた。
「何が起きているのだ。ここで」
記者は、勢いを付けて、扉を開けた。
そこには、ピンセットとのりを持った部員が上半身裸の部員に切手を貼り付けていた。
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