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開花期〆プロローグ
「緑也くん!夕紫くん!誕生日おめでとう」
幸せな家庭の食卓に並ぶチョコレートケーキにのっかったホワイトチョコプレートにはいつも名前が二人分書いてあった。
偶然にも誕生日が全く同じの僕らは、誕生日祝いは両家族合同で行うのが恒例。
クリスマス、お正月、夏休み。事ある事に一緒にいた僕らはしょっちゅう双子と間違われて本当の家族のような関係だった。それも小学生までの話。
中学に入るとサッパリ会う事も話す機会も無くなってそれぞれ自分の"色"と言うものを発揮していく。
似て異なる〈葡萄とマスカット〉のように。
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