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翌朝。
カーテンから差し込む光で目が覚めると、既に隣で眠っていたはずの銀太の姿はなかった。
適当に服を引っ掛けて部屋から出るとキッチンから良い匂いがする。
「あ、おはよう」
「……おはよう」
テーブルには彩りが綺麗なサラダに美味しそうなクロワッサンにバターロール。見ただけでお腹が減ってきた。
「コーヒー飲む?」
「飲む」
銀太は手際良くコーヒーを淹れて、フライパンで目玉焼きを焼いている。
「……」
私は不意にその背中に抱き付いた。
「!」
「ありがとう」
「!いや、全然」
「もう、ずっとここにいたい」
「いても良いよ?」
「……うん」
優しいな。昨日もずっと優しかったけど。
気持ち良くてずーっと幸せな気持ちだった。
「じゃあ本当に、一緒に暮らさない?」
銀太はフライパンの火を止めてこちらに振り向いた。
「……」
それは、つまり。
「えっと、」
「ごめん。急だったよね。何か気持ちが先走りました」
「!私も一緒に暮らしたい」
同棲なんて今までした事ないけど、銀太となら上手くやれる気がする。
「本当に?」
「暮らしたい。絶対楽しいと思う」
「……オレも」
ぎゅ、と抱き寄せられる。
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