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「オレ、こんなに幸せで良いのかな」
「何言ってるの。もっと幸せにするよ」
今度は私が朝ごはん準備しよ。
「……ちょっと前から思ってたけど、男前だよね」
「そう?」
「うん。さすがオレの初恋の人」
「それ関係ある?」
「ないかな。一緒に暮らしたらオレが毎日ご飯作るね。デザートもいっぱい食べて欲しい」
「……」
めちゃくちゃ太りそうで怖いのだが……。
「いや!ご飯は私も作る。美味しいって言われたい」
「オレは作ってくれるだけで嬉しいんだけどな」
銀太と暮らしたら甘やかされてダメ人間になりそうだ。そこは気を付けないと。
「とりあえず同棲の話は追々進めるとして……これ、渡しとくね」
渡されたのは家の鍵だ。
「好きな時に来てよ」
「……ありがとう」
そっとその鍵を握りしめた。
これから先の未来もきっと大丈夫だと思える。
「あのさ、今度監督してる少年野球のチームの試合、見に行っても良い?」
「!もちろん」
仕事を辞めて実家に戻ってきた時は人生のドン底だと思ったけど、戻って来なかったら銀太と再会する事もなかった。
「うちのチームの子皆良い子だから。今度一緒にキャッチボールもしようよ」
「う、うん」
スーパー運動不足だけど大丈夫かな?
筋肉痛になりそう。
何はともあれ。
これからもよろしく、私の野球少年。
◆◆◆◆
上川銀太エンド
【完】
2023/2/21
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