魔法の薬を求める人たち

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 惑わして、惑わされて。何も分かりたくない世界から逃げ出したい。だから手に取った薬が実はこの世界から本当に追放されるものだなんて知らなかった。  「知らなかった、じゃ済まない年齢(とし)じゃん、あんたさ」  突き放されたような言葉にしがみつきたくなったのは、逃げ出したい世界に対してか目の前の姉に対してかわからない。  違法。薬物。気がついたらそんなものに手を染めて身も心も染まっていた。一様に弱かったせいだと自分を責め続けても終わりがない。なんなの、どこまでいけば私は逃げられるの。  「だって…だって誰も私を見てくれなかったじゃない!!!」
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