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💚おでんの丘へ💚
〜二人でおでんの丘へ向かう〜
「ん…ふわ…わぁ……」
そういっておきたおやすの声ですやみが目覚めた。すやみはおやすの顔に手をモフっとのせた。
「はう…」
モフッッッ
「んぶぁ」
おかげでおやすが変な声をあげた。
「すやみぃ…………………」
おやすがあきれてそういった。
「ん…?」
…にもかかわらずすやみは呼ばれた理由を全然理解していない。
「………」
そんなすやみにおやすは黙ってしまった。
「ねぇ、おやすー…」
するとこんどはすやみが呼びかけた。
「なにぃ?」
「今日はさあ…」
「おでんの丘…行こう」
すやみがそう提案した。
「いいね…それ」
おやすも同意のようで、寝転びながら頷いた。
「ねえ、それならはやく起き上がって準備をしようよ…。」
おでんの丘に行くとちょっと言ってみても、難しそうには聞こえないが、そんなに無防備で行けるようなところでもない。かといってとても難しく困難な道のりを進むわけではないのだ。おやすたちがこのようにすぐ行けるのだから。
やがて二人は起き上がった。
それから伸びとあくびを一つして、落ち着くと歩き始めた。
少しすると、大きな木が生えた場所にたどり着いた。すると、すやみがその木の上までかけられたはしごを登り始めた。つづいておやすも登り始める。
「よいしょ、よいしょ、」
そして上までたどり着くと、小枝や葉っぱ、枯れ草などを使ってできた家があった。人間で言うツリーハウスかと思うが、住みやすい土地が木の上なのだろう。一番に言うと、恐ろしい蛇が来ないとか、万が一踏まれないようにとかであろう。いや、付け足しで言うと蛇は木の上を登ってくるが、地面にいるより安全であることは確かだ。蛇は、わざわざターゲットにされない限り木の上にいれば、安全だ。ターゲットにもされにくい。第一あまり蛇はいない…が、夜になると肉食動物が出てくるので木の上がいいのだろう。
さて、するとすやみは、階段を上がって、物置のようなところへ入っていった。ちいさな窓から木漏れ日が差し込んでいる。
物置のようなところには棚があり、そこにはきのみで作ったクッキーやきのみが瓶に詰まっているのが、並んでいる。作った日や年月をかいたタグが麻ひもでついている。
あるたなのはじっこに、大きめのどんぐりのコナラをくり抜いたものと、コナラのぼうしがおいてある。そして、そのぼうしのことを殻斗(かくと)と言うのだ。そのどんぐりのぼうしに、麻ひもがついている。また、その麻ひもは長くて、どう使うのかは、人間が見てもとうていわからなさそうなみためだ。そして、それは二つあった。すやみは、一つをおやすに、もうひとつは自分でもつと、棚の横にかけてあった草であんだ大きめの袋をひきずって歩き始めた。おやすもついていく。そのまま階段をおりて出口(玄関)に向かう。その途中で、薄汚れた布でつぎはぎの小さい袋を取った。するとすやみは、いつの間にか物置から取って来ていた瓶をだした。これは、その中身をさっきの袋に入れて、行くまでにお腹が空いたとき食べれるようにするのだ。普通すやみやおやすは、毛の中に食べ物を隠しているが、万が一持っていない場合や、少ない場合に備えて持っていくのだ。タグには、🏷〚乾燥きのみ(ミックス)2013/6/24〛と書いてある。きのみは普通、分けて瓶に入れる。なぜここにミックスしているかと言うのは、それも、乾燥させているから。その分けて瓶に入れる理由というのが、尖ったきのみと柔らかいきのみを同じ瓶に入れると、柔らかいきのみに傷がいってしまったりするからだ。乾燥させると、固くなって、傷つきにくく、匂いも混ざりにくくなるのだ。そして、そのきのみを袋に入れた。
ザッザッザッ…
キュッと袋の口を縛った。瓶を玄関前の棚に置くと、すやみとおやすは、ドアを開けて出発した。
「よいしょ、よいしょ、」
はしごをおりて、地面についた。
お互い、毛の中にしまっていた麻ひもを取り出した。そして、それを、腰にまく。
「よいしょっ」
クルクル
キュッ
そして、さっきのつぎはぎの木の実入り袋の紐を腰に巻いた紐にくくった。お互いに持ち物を確認した。
さて、少し歩いていると、小鳥が水浴びをしている、虹色に輝く泉があった。そこに……
お覚えだろうか。くり抜いたどんぐりの大きめのコナラのことを。ぼうしに紐がついているものである。すやみたちはそれを持って泉に近づくと、しゃがんでその泉の水をくんだ。密集すると虹色に見えるその水は、容器に入れると透明な透き通った水だ。そして、そのコナラは水筒だったのだ。
すやみたちは、コナラ本体を、コナラのぼうしにセットして、長い紐を、下に持っていって、それをもう一度上に持ってきて結んだ。
わからない人のために画像用意しました!ちょっとでもイメージしてもらえたらな〜!と。
(ibispaint(アイビスペイント)のアプリです)
肩にかける方の紐を、すやみたちは、きちんと肩にかけた。
トコトコトコ…
草であんだ袋がザザザと地面に擦れる。
その途中のことだった。
バサッッ
「!?」
「おやす!?」
おやすが倒れた。
「すー…すー…」
寝ていた。すやみは安心と呆れの気持ちになった。
そこですやみも寝転んだ。すると、おやすが、
「もいまももいま、ももいまも」
と、変な呪文のような言葉を言った。
「えっ?!」
びっくりしたすやみは飛び起きた。
「すーー…」
「………寝言………」
そよそよそよそよ………
パチッ
「ん〜っ…」
おやすがおきた。すやみもいつの間にか寝ていたようで、起きた。
するとすやみがガバッと起き上がって、
「あ!そうだ!すやみたちおでんの丘に行こうとしてたんだった!!!」
と、慌てた様子で言った。
「そんなに慌てる必要ないよ〜すやみ…今からいけばいいじゃないかぁ〜…」
と、落ち着いた様子でおやすが返すが、すやみは、
「でももう、日が暮れかけてるよ!こんな時間まで寝ちゃってたんだ!!」
と、言うのだ。
「!!大変じゃないか!」
と、やっとおやすも気づいた。
「あわたあわたあわたあわた💦」
二人とも慌てている。
「よ、夜になるうちにどこかにこもらなきゃ!」
と、すやみ。
「今更帰るのも時間がかかるし…」
と、おやす。
最後は二人で
「それに夜は肉食動物がいっぱいいるんだよ〜っ!!」
すやみは、
「どっ…どうしよう…」
「あ、あの高い木の上に登る?」
と、言った。
「それいいなっ」
なんと!!すやみたちは、ヒヅメを鋭くして、木などに引っ掛けて登ることができるのだ!かといって、いくら鋭いからって、攻撃をするようなことはできないのだ。それは、すやみたちのスピードにも関わるが、肉食動物なんかと戦ったらひとたまりもない。
さて、そう言っているうちに、すやみたちは木を登り終えたようだ。
幸いにも木は、ブロッコリーのように、葉が生い茂っていて、上に乗りやすいものだ。
「んくっんくっ」
すやみが水を飲んでいる。
「パリッパリポリッ」
おやすは、きのみを食べている。
「ぷはっ」
「ホーホー」
どこかでフクロウの鳴き声がした。
夜が始まった。
「アォォォォォォーーン」
どこかで狼の遠吠えが聞こえた。
ビクッ
すやみとおやすがびっくりして抱き合う。
少しすると、今まで身構えていたであろう狼やハイエナが出てきた。
ガサゴソガサゴソ
「でてきたね…」
「今下に落ちたら終わりってことよ」
そういっておやすはクスクスと笑う。
「もう!笑い事じゃないから!」
木の上にいると、安全だ。それを理解したすやみたちは、木の下にほっていった。この木は大きくて、とても茂っていて、幹もとてもある。だから、下にほって行っても安全なのだ。すやみたちは、朝までそこで寝ることにした。
次の朝…
「ふわ…わぁ……」
ピー…チョチョ…
「ふ…っ、えぇぇぇぇぇぇぇぇ〜っ!?」
「こっここどこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
すやみが叫ぶ。
「う、る、さ、い!」
おやすがみみを塞いで起き上がる。
「昨日…えっと、あ、おでんの丘に向かってたんだよ!思い出した〜?」
おやすが言う。
「あー。そっか」
すやみは思い出したようだ。
そして、木の上からおりた。
そして、おでんの丘に向かっていった……
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なんか適当か切り方してごめんなさい💦m(_ _;)m3280文字も書いてると、急に消えそうで怖いんですよ〜!!
あ、自己紹介遅れましたpuiの祭りです!
あらためてよろしくお願いします!
ではまた!
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