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少女はよっぽどお腹が空いていたのか夢中になって麺をすすっていた。
「あの、お兄さんのお名前はなんというのですか? 」
「うん?あ、俺の名前は中澤浩司だよ。君は?」
少女は少し黙ってから「あまり詳しくは言えませんがのんって呼んでください」と言った。
見た目は大学生くらいだろうか。
髪は金色で肩ぐらいまで長さがある。
目は青色をしているので恐らく日本人ではないのだろう。
正直に言ってめっちゃくちゃ可愛い。
さっきは暗くてよく見えなかったが、まさかこんなにも可愛い女の子が家に来るなんて思いもしなかった。
「明日の朝ごはんは私が作りますね。お仕事でお疲れだと思うので。明日もお仕事頑張ってくださいね」
「俺、実は、仕事クビになっちゃってさ、明日から無職で何にもすることないんだよね」
「えっ!そうなんですか……私何も知らなくてすいません」
少女は頭を下げて何度も「すいません」と謝ってくれた。
俺は「大丈夫大丈夫」と笑って言う。
それから少し無言の時間があった。
「さっきまで俺死のうかなって思ってたんだよな。やっぱり俺なんて生きてる価値ないと思って」
「それは違います」
少女はキッパリとそう言って俺の傍に来た。
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