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「よっしゃ!仕事終わった!!一夏、帰ろー!!」
グラスを全部洗い終わってそう声を上げた。
俺、染井錦はバーで働いている。
バーと言っても大人の雰囲気は漂うものの、そこまでかしこまってない。
ある日は俺たち双子の漫才ライブを始めたり、はたまた他の仲間と音楽ライブを始めたり、なかなか自由にさせてもらってる。
おかげで客層は老若男女幅広い。
とくに演歌大会の日にはおじいちゃんおばあちゃんもお酒を飲みながら参加してくれる。
そして、通常営業でも従業員目当てで来てくれる女の子も沢山いて。
自分で言うのもなんだけど、俺たち人気ある方!(へへへっ)
「いーちかー?どこー」
双子の兄、一夏も一緒にバーで働いている。
双子なだけあって見た目はまるっきり一緒。
お客さんはもちろん、仕事仲間にも見分けられないくらいそっくりだ。
背だって一ミリたりとも変わらない。もちろん体重だって!
「いーちかーまだ片付けしてるのー?」
そして、何を隠そう、一夏は俺の恋人でもある!
弟も妹も大好きだけど、一夏は世界で一番好き!
だから出勤も帰るときも一緒。
いつでも、なにをするのも全部一緒。
今日は楽しみにしているドラマがあるから一夏も一緒に見るものと勝手に思っていた。
だって、考えることだって一緒なんだし。
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