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珠子は喫茶店で働いていた。
珠子の人柄が良く喫茶店は賑わいをみせている程、繁盛していた。
忙しく働きながら客とユーモアな会話をしている珠子はキラキラと輝いていた。
ある日の事だった。
和己を筆頭に美希恵、花棜浬、寿陽が珠子が働く喫茶店におしかけて来た。
「どうしたの?あなた達?」
珠子はキョトンとしながら、そう訊いた。
「お母さん、今日はお母さんの誕生日よ?忘れたの?」
花棜浬が和己と腕を組みながら楽しそうに、そう言った。
「ほら!親父!例の物を……」
「そうそうパパ。例の物をあげるのでしょ?」
寿陽と美希恵がニンマリとしながら和己を見つめる。
「あ、あ、あのな?珠子……これ……」
珠子は驚いた。
それは高価な……珠子の誕生石でもあるエメラルドのネックレスだったからだ。
「こ、こんな高い物……一体どうやって?」
「美希恵、花棜浬、寿陽がバイトをしてくれてな?何とか買えたんだよ、俺も頑張ったけど……」
和己が照れくさそうに笑ってエメラルドのネックレスを珠子の首にかけてあげた。
と同時に喫茶店の、たくさんの馴染みの客から、
「珠子さん!!お誕生日おめでとう!!」
と、お祝いの言葉を言われ拍手が鳴り響いたのであった。
【了】
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