大好きなあなたへ

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大好きなあなたへ

 ずっと一緒にいたかった。  離れたくなんてなかった。  だけど……。  私のことを、いつも目を細めて見守っていてくれるあなたが好きだった。  忙しそうにしているときにわざとちょっかいをかけても、しょうがないなって困ったように笑って、結局相手をしてくれるあなたが好きだった。  いつも私を撫でてくれる、その手が好きだった。  よく食べる私のことが好きだと、食事をしている私を優しげな目で見ているあなたが好きだった。  年老いた私を見ても、いつまでも可愛いと言ってくれるあなたが好きだった。  あなたがとても好きだった。  だけど、さよなら。  私の言葉は伝わらないね。  さよならも、きっとあなたには伝わらない。  それでも、私はあなたが好きだった。  だから、さよなら。  私が死んだら、きっとあなたは悲しむでしょう。  最後に見るあなたの顔が、笑顔でいて欲しいから。  だから、さよなら。  あなたの笑顔を目に焼き付けて、私は小さくにゃーんと鳴いて。  そして、あなたに背を向けた。  さようなら、ありがとう。  私がいなくなっても大好きなあなたが、どうかずっと笑っていてくれますように。
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